天邪鬼?
んなことねえよ。
他人と同じが嫌なだけ。

2020年12月11日WEEKEND

☆山口真由さん(37)
幼い頃から天邪鬼と言われてきた。自分ではそんなことは無いと思っている。小学生の頃、友人の家に遊びに行った時の事。友人のお母さんが、ご飯を食べていきなさいと言ってくれた。その場は遠慮してお断りしたらしい。だが友人のお母さんは、遠慮せずに食べていきなさいと強く言ったらしい。仕方ないなと食べ始めたらすごい勢いで食べてしまったらしい。あくまでも友人のお母さん曰くである。「章君、これからうちに遊びに来た時は、遠慮せずに好きなだけごはんを食べなさい」自分には、当時の記憶が全く残っておらず、何とも言えない。その話が友人のお母さんから私の母に伝わった。「章君は天邪鬼です。何事にも我慢したり遠慮する性格ですね」それ以来、私の性格は天邪鬼というのが定着してしまっている。んなことどうでもいいじゃないかと思うのだが、最近になって、もうしかしたらそうかもと思うようになった。
私は他人と同じものは避けて通るのが信条である。街で流行っている食べ物や服装、音楽やテレビ番組など、全てがそうである。テレビで紹介される評判のお店なども行きたいとは思わない。何よりも、行列に並んでまで買ったり食べたりする人の気持ちが理解できない。むしろ行列の映像を見ただけで、絶対に行くまいと考えてしまう。ただ、それを良しとする人を否定はしない。自分は嫌だなと思うだけである。
好きな女性のタイプについても同様の事が言える。20代は、惚れた人=好きなタイプであった。但し、誰もが口を揃えて可愛いと言うベタは避けてきた。要するに他人と同じ意見が嫌なだけである。30代になると、好きなタイプは女子アナに変わった。フジテレビの小島奈津子さんや日本テレビの永井美奈子さんである。反対に受け入れられないタイプは、田中みな実である。みんな大好きで~すと言いながら、裏でお札を数えているようなずるさを感じてしまう。これが50歳を過ぎると一気に様変わりした。己の意見をはっきりと言う、個性的で強い女性に惹かれるようになった。元財務官僚の山口真由さん、国際政治学者の三浦瑠璃さん。医師の丸田佳奈さんといった所謂学識ある女性である。良く言えば才女。悪く言えば鼻につくタイプと言えるかもしれない。若い頃は、どちらかと言えば苦手なタイプであった。それがいつしかお気に入りのタイプに変わってきている。そして気づいた結論がある。私は苦手なタイプの女性がいつしか好きなタイプに変わってしまう人間のようだ。若い頃から一貫していることは外見には拘らないこと。敢えて言うのであれば、心の美しさが滲み出ている人が好みである。
人間関係においても天邪鬼かもしれない。私は学生時代から、自他ともにムードメーカー的存在だと感じてきた。気の合う人とは意気投合して親交を深める。率先して笑いを作り、場を和ませてきた想いがある。これについては男女を問わずである。そのせいなのか、私の友人は男性よりも女性の方が多い。一見すると気難しい人に見られがちであるが、話を交わすとそうではないと感じてくれるらしい。しかしながら、そう思われるようになったのは50歳を過ぎてからである。話しやすいからと言う人もいれば、本音で言ってくれるからと言う人もいる。確かに。良くも悪くも本音で言ってしまう。人間関係において、最も難しいのは立ち位置であろうか。この人と親しくなりたいと思い、日々努力を積み上げてきたにも関わらず、何かが原因で意見の相違が生じた時など、もしかしたら自分だけが努力してきたのかと感じた瞬間、それまで積み上げてきたものを自ら壊して捨ててしまう。冗談じゃねえ。やってられるかとなってしまう。潔いといえば聞こえがいいかもしれないが、その落差で、周りの人を驚かせてきたのかもしれない。だが最近は少し変わりつつある。あることがきっかけで、じっくりと時間をかけて熟成するまで待つようになった。シチューをコトコト煮込むように。押すべきところと引くところが理解できるようになったのかもしれない。歳を重ねる事も満更ではない。

好きな人ができると聴きたくなる曲である。
☆So Bad/Paul McCartney(2015Remastered)
https://www.youtube.com/watch?v=vTFsA2SdGBo

2020年12月11日WEEKEND