一歳年下の妻が ワクチン接種を受けてきた。
2021年5月29日
昨日、妻が私に腕が痛いと訴えてきた。どこかにぶつけたのかと尋ねたら意外な言葉が返ってきた。「昨日ワクチン接種を受けてきた。」ワ、ワクチンって、コロナの?妻はうんと答えた。自分より一歳下の妻が先にワクチン接種などありえない。「なんでや?」率直に聞いてみた。「だって私病院で仕事してるから‥」皆様にご説明させていただく。妻は自宅近所に位置する病院でパートをしている。もちろん妻は医師ではないし看護師でもない。検査室に勤務しているのだ。検査室の業務においては、医療機器や検体に触れる事が多いという。言ってみれば、常に感染のリスクが伴う仕事なのだ。そこで今回は、誰もが気になるワクチン接種と医療業務について綴ってみる。
妻が勤務する病院は救急指定の総合病院である。病院には医師や看護師のほか、検査技師など大勢の人が勤務している。たとえ医療に直接携わらない役目であっても、感染リスクがある事には違いない。従って、妻もワクチン接種の対象になったらしい。今回が二度目の接種だという。ワクチン接種において、ニュースで報道されている様々な疑問を尋ねてみた。まずはじめに、あの注射は痛いのか?即答で返ってきた。「全然痛くない」映像で見る限り、かなり深く針を刺しているように見えるのだが、チクリとした痛みだけで一般的な注射となんら変わらないらしい。次に接種後の副反応について尋ねた。妻の同僚の中には、極少数だが腕の痛みを訴える人、体のだるさを感じる人もいるらしい。いずれも二度目の接種後の副反応らしい。これについてはニュースでも同様に報道されている。妻の部署からは、微熱なら問題ないとの判断らしい。もしそれ以上の不調を感じた場合は自宅で待機。あるいは診察を受けて休むように言われているという。
ワクチン接種については、自治体の長が職務責任を大義に優先接種を図る事が問題視されている。行政のトップとして自分が感染しては業務に支障が出てしまう。あるいは自分の周囲の人に感染させてはいけないと。ま、最もらしい平均点の言い訳ではある。だが、先日から報道されている〇〇薬局会長の接種騒動を見る限り、到底信用する事は出来ない。周りが言いづらいのなら自分がズバリ言ってあげよう。あれは、社会貢献を盾にした忖度である。我が社は優れた薬品を提供する事で、地域の皆様をはじめ、社会に大きく貢献している。だから、その長である自分の接種を早めてもらえないだろうか、概ねそういう事だろう。でもあんた、言ってる事おかしくないか。それをいうなら、私よりも地域の高齢者の皆様を優先してあげてくださいだろう。見え見えの薄っぺらな大義は、その人の心や人格までも透けて見える。誰もが知っているような有名薬局チェーンの会長がこの程度の言い訳である。無論悪いのはご本人ではあるが、会長の脇を固める経営陣は何も考えなかったのだろうか。万一その事実が報道されたなら、会社の評判は地に堕ちる事になる。それを知りながら、いとも簡単に実行に移すとは情けない。報道を受けて急遽セッティングされた安易な記者会見もよろしくなかった。最もらしく聞こえるまやかしの言い訳で押し切ってしまい、結果的に火に油を注いでしまった。
会長=神様。それが社内で当たり前になっているからついつい庇ってしまう。政治家の失言と同じだ。だがこれこそが日本の現状、現実なのだ。今までがそうだったから。変える必然性が無かったからずっとこれでやってきた。時間がないから出来ない。全てにおいて既成事実を盾にした不変の構造なのだ。だから世の中の無駄な行為が一向に減らないのだ。誰も利用したがらない歩道橋や箱物建設。高額な医療費と余りにも短すぎる車検制度。乏しい補償制度で自粛協力を呼びかけるだけの無策な政府。誰もが怒って当然なのだ。誰もが過去から十分協力しているんだよ。今度はあんたらが協力するのが当然だろうと言いたくもなる。
コロナの件で、日々感じる事がある。社会において最も無駄な物は無能な政治家かもしれない。この期に及んでも、まだ五輪開催に意欲を見せる日本の政府。世界中のジャーナリストが日本を批判していることを理解できないのだろうか。結論の先送りに終始する決断力のない与党を批判するだけの野党もまた然り。今は非常事態なのだ。開催国のメンツなどさっさとすててしまえばいい。命あっての人生だ。感染リスクを感じながらも、愚痴ひとつこぼさずに勤務している妻と同僚の方々を誇りに思った。
☆Save Us/Paul McCartney(2013 BBC LIVE)
https://www.youtube.com/watch?v=2vrAlhzkuag