Drive My Car!
待たせたね、プリちゃん。 

2021年7月15日

ついにこの日がやってきた。取り消し扱いにされていた運転免許証の再取得に成功して一週間、3年ぶりにプリウスのハンドルを握った。このクルマは4年前の春に購入。私にとって思い入れのあるクルマだ。二年前の記事でも記述したように、50系プリウスは革新的な要素が詰まったクルマだと思っている。ハイブリッド車である事は言うまでもないが、トヨタのような保守的な企業が、よくぞここまでチャレンジしたなと感じる部分が多いからだ。そこで今日の記事は、久しぶりにハンドルを握った運転への想いを綴らせていただきたい。

免許取り消し期間中の運転は友人のケロヨンFにお願いしていたのは周知の事実。ケロヨンの運転は申し分ない。おそらく私が知っている女性ドライバーの中では一番上手である。ただ一点だけ修正を要する部分もある。それは危険回避行動だ。ケロヨンは控えめな性格ゆえにクラクションの使用を躊躇う傾向が強い。私が思うには、ハンドル操作でかわそうと考えているようだ。だがこれはいただけない。危険回避に限れば、クラクションはためらわずに使うべきだ。事故を回避するために体裁や躊躇は一切必要ない。他人や自分の命を失う可能性を考えた際、体裁を気にするなどもってのほか。その点を除けばケロヨンの運転は安心して乗っていられる。何よりも彼女は毎日運転しており場数を踏んでいる。これはとても大切なことだ。運転は少しでも時間が空いてしまうと確実に下手になっていくからだ。

久しぶりにプリウスの座席に座った感触はすこぶる良かった。懐かしい我が家に帰って来たような気分になった。思い起こせば四年前、クルマの購入検討を始めた頃の事、排気量が僅か1800CCで大丈夫なのだろうかと疑問があった。自分は旧い世代の人間であるため、最低でも2000CC車をという考えがあった。いや、できれば3000CC以上という気持ちも強かったのだが、このクルマに乗って以降、価値観が大きく変わった。結論を言えば、公道を走る限りは1800CCで十分である。またハイブリッド車のため大容量のバッテリーを搭載しており、力強い加速感も感じられ、夏場でもエアコンの効きがすこぶる良い。

私にとって最も良いと感じる点は給油回数の少なさと共に室内の広さである。以前カリーナEDというスタイル重視の車に乗っていた時期があった。このクルマは当時流行だった富士山型のキャビンで室内が窮屈そのものだった。恐ろしく低い天井。のけぞるような体勢を強いられての運転はトンネルの中にいるような感じで不快極まりないものであった。恐らくスタイル優先の設計思想だったのだろう。車をカッコよく見せたい→出来るだけ車高を低く抑える→最終的にシートの設置位置を下げるという本末転倒が行われていたのだ。残念ながら、当時のクルマ文化はまだその程度のお粗末な価値観が重視されていたのも事実である。

あれから約30年。今や車を所有すること自体疑問に思う人も多くなってきている。当然だろう。クルマを所有するために維持費がかかりすぎるのだ。車を買った途端に駐車場、ガソリン代、税金、点検費用、車検と維持費のオンパレードである。自分も70歳を超えたら、もう乗りたくないとなっているかもしれない。いや、恐らく所有していないだろう。元より高齢者になれば、免許証の更新さえもハードルが高くなるはずだ。肩身の狭い思いをしてまで何かに縋るのは自分の生き方にそぐわない。

また交通事故で他人の命を奪っておきながら、クルマのせいにするようなダメ人間にはなりたくない。そんなリスクを背負うのであれば、さっさと免許証を返納してしまったほうがマシだろう。クルマで生活レベルを誇示する時代はとうの昔に終わっている。今日から10年間運転を満喫させていただき、無事に70歳を迎えられたら免許証を返納するだろう。まだ生きていられればの話だけどね。

☆Drive My Car/THE BEATLES
https://www.youtube.com/watch?v=kfSQkZuIx84

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