ケロヨン、おめでとう。

きっとお母さんも喜んでいるよ。

ブログ制作をサポートしてくれているケロヨンFが昨日誕生日を迎えた。私がケロヨンに出会ったのは29年前のこと。独立以前に勤めた会社で新人募集に応募してくれたのがケロヨンだった。私自身が面接して採用を決めた。彼女の第一印象はとても礼儀正しい子。また好奇心旺盛で、私の話を一言一句聞き逃さない姿勢が採用の決め手になった。

ケロヨンは芸術短大卒のため、デッサンなどの基礎がしっかりしている。だがデザインは感性で差が出る職業なのだ。彼女の入社後は、私にボロクソに怒られる日々が続いた。採用前の予想に反して成長に時間を要した。それでも彼女は弱音を吐かず、学ぶ姿勢を見せてくれた。その努力が実を結び、後に最も大切なお客様の仕事を担当するようになってくれた。このように記述すると、簡単なように思う方がいるかもしれない。だがグラフィックデザインは、そんな甘い世界ではないのだ。ここまで成長してくれた要因は、ケロヨンの実直さと努力の賜物だろう。

彼女が入社してくれた1993年は、私が独立を果たした思い出深い年。その際は行動力のある仲間が必要だと考えてケロヨンに参加を打診した。フリーランスになって、自分の仕事を助けて欲しいと伝えた。当時はレギュラーワークをかかえており、仕事を回すことで精一杯の状況。毎晩遅くまで仕事をしてくれたケロヨンに、安いギャラしか渡す事が出来なかった。今思えば、自分は何を返してあげられたのだろうかという気持ちになる。苦労ばかりさせてしまい、それに報いる事ができなかったという気持ちが強いからだ。あの頃から30年経過した。私の独立を喜んでくれた父はこの世を去り、ケロヨンのお母さんも亡くなられている。共に片親を亡くした境遇が心の距離を縮めたのだろう。付き合いが長い友人は他にもいるが、信頼関係が現在まで続いているのはケロヨン一人だけ。私にとり最も信頼できる友人だ。

現在の彼女は父親の健康を気遣い、今は亡きお母さんの役目を立派に果たしている。時には家族の愚痴をこぼす事もあるが、自分が家族をまとめているという気構えが見られて私も嬉しい。また偶然だが、私の名前は章(あきら)ケロヨンのお父さんの名前も昭(あきら)なのだ。漢字こそ違うが、どちらも真面目で頑固に違いない(笑) 同じ時代に生まれ、同じ職場で働いた間柄は縁あってのものだろう。神様ありがとう、そしてケロヨンおめでとう。キミが友人でいてくれて俺は嬉しい。