小さなしあわせ

2022年10月22日

久しぶりに街へ出てランチをいただいた。名古屋パルコのレストラン街に所在するとんかつの「和幸」である。近頃の物価高騰を受け、さぞや値上がりしているだろうと思っていた。メニューを見てオーダーした和幸御飯は950円。お店で最も安価なランチメニューである。ロースカツにたっぷりのキャベツ、これにごはんと味噌汁、漬け物がついてくるセットである。今日は単品で、カキフライを付けていただいた。今回は私とケロヨンの一日を綴ってみたい。

待つこと20分ほどで食事が提供された。揚げたてをいただくしあわせは、狐色に揚げられた衣を目で楽しむことから始まる。次に驚いたのは、箸で切れるほど肉が柔らかいことだった。とんかつを提供するお店は至る所にあるが、スーッと箸で切れるほど柔らかい肉を食べられるところはそうそうないだろう。カリカリの衣。噛むとジューシーな肉汁が溢れ出す。脂身にほのかな甘みを感じる美味しさは、ロースカツならではのもの。白いご飯がより一層美味しく感じる。カキフライはレモンを絞り、タルタルソースでいただいた。これもまた美味しいと声が出る。若い頃は見向きもしなかった牡蠣の美味しさが分かるようになったのは40代以降である。歳を重ねるのも悪くない。

一般的にとんかつ屋さんは、キャベツとお味噌汁のおかわりが自由というお店が多い。因みに本日、私の目の前で食べているケロヨンは、既に三回ほどおかわりをしている。華奢な体型ながら、豪快にキャベツを食べる姿は頼もしい。200グラムのロースカツとごはん一膳を完食した。食後は近くのデパートで行われている北海道物産展を見ていこうという目論見である。パルコを後にしてデパートまで歩いた。夏が終わったと実感する風に吹かれて、秋を感じる心地よさ。物産展は7階の催事場。平日のためか思ったほど混雑はなかった。病気をする以前、度々出かけた北海道物産展だが、近年の物価高騰を受けて、高級弁当を買い求めるお客様が激減しているように見受けられた。私たちも高級弁当は、見るだけで素通りした。実は先に昼食をすませたのは理由がある。お腹がいっぱいになれば、無駄遣いをしないだろうと思ったからだ。

還暦を超えて人生のリスタートをする。その計画は着々と進行している。これについてはブログで徐々に綴っていきたい。話は変わるが、先頃から昭和の著名人が次々に亡くなっている。それは仕方がないことではある。人生はいつお迎えが来るのか。それは誰にも分からない。正に諸行無常だ。全てのものは変わり続ける。永遠などないということである。自分の写真を見る度に、随分老けたなぁと思う。だが、それが当たり前なのだ。老いていく自分の姿を受け入れて、逆に寿命まで生き抜いてやろうと誓う。今日も美味しい食事をいただいた。小さなしあわせを感じる一日。それでいいのだ!

In My Life