おめでとう。いつもありがとう。

2023年4月23日

妻が誕生日を迎えた。引っ越しから約50日が経過。ようやく新しい住まいにも慣れてきた。私は引っ越し前から酷い神経痛に悩まされていたが、ここ数日でほぼ完治した。一方の妻は軽い腰痛があるらしいが、際立って悪いところがないのは喜ばしい。今回の引っ越しが無事に完了したのは妻の活躍に尽きる。そこで今日は気分転換を兼ねて外出した。目指すは妻の誕生日用の消えモノ探しである。

自宅からクルマで10分ほどに位置するショッピングセンター、プライムツリー赤池を訪れた。このお店は品数が多く、スイーツ系はセンスが良い物を取り揃えている感がある。手始めにケーキから物色した。冷蔵ケースに並べられたフルーツたっぷりのホールケーキが4,000円オーバーですか。昨今の値上げラッシュでどこも高値安定状態だ。もう少しお手頃な物はないかと思っていたところ、上の画像の商品に目が留まった。5種類のカットケーキがアソートされたバラエティーケーキ。左からモンブラン、紫芋のタルト、苺のショート、ガトーショコラ、チーズケーキ。これでお値段は2,400円ほど。1カットあたり500円弱。見た目も良いしコスパも良い。味は食べてみないと分からない。私はこうと決めたら悩まない主義だ。彩があるこのケーキを購入した。

妻は元々物欲がない。昨今は近所に暮らす友人とたまに外出してお茶を楽しむ程度で帰ってくる。無駄遣いをしない倹約女房というところか。私よりも一歳年下の妻は18歳の時に集団就職で上京。今は存在しない大型量販店のダイエーに入社。埼玉県蕨市の寮で生活を始めた。一方の私は19歳で上京。その後デザイン会社に入社して妻と出会った。平日は仕事帰りに新宿で待ち合わせ。日曜日は映画を見て食事をするのがお決まりのコースであった。給料日前の大ピンチの時は率直に切り出した。「給料日前だから贅沢はできないのさ。いつもの喫茶店でいいかな」そんな時は妻が助け舟を出してくれた。「今日は寒いからラーメン食べに行こうよ。私がごちそうするから」私のプライドを潰さない気遣いには驚きつつも、好感を抱いたものだ。

当時の妻は21歳。私は22歳。あの頃から40年もの間、一緒に暮らしているのは奇跡に近い。縁あって出会い惹かれた間柄。性格は全く異なる二人だが、最近になり似た部分もあることが分かった。それは無理に相手に合わせないこと。衝突したら距離を置く。会話もしない。ねじ伏せるのは逆効果を招く恐れがある。スープの冷めない距離ならぬ、一晩寝かせたカレーのような味わいが出る人間関係。これが私たちが目指す理想の夫婦なのだ。妻よおめでとう。いつもありがとう。

父と母と妻。1989年撮影

In My Life