変わるコンビニ 2023年5月1日
今日は三ヶ月に一度の診察へ出かけた。受付を済ませて待合い室で順番を待つ。モニターには受付番号と担当医の名前が表示されている。自分の受付番号が3番目に映っているが、ここであることに気がついた。主治医の名前が違っているではないか。これはどういう事なのか。もうしかしたら主治医が交代したのかもしれない。聞くところによれば、医師は教師と同じ立場らしく、評判が良ければ異動なし。悪い場合は転任もあり得るという。名前を呼ばれて診察室に入ると、医師が事情を説明してくれた。中川さん、こんにちは。今日から担当させていただく◯◯です。◯◯先生は金曜日に来られなくなりました。それ以上の説明がないことから、諸般の事情と悟った。始まりの春は期待と不安が入り混じる季節なのだ。
昨夜はNHKのクローズアップ現代を見ていた。「コンビニ店主24時」というタイトルが付けられていた。その番組では見覚えのある方が映っていた。セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文(すずき としふみ)氏である。グラフィックデザイナーとしての東京時代。最も依頼が多かった仕事が会社案内である。当時参考にしてくださいと手渡されたのがセブンイレブンの会社案内だ。表紙をめくると最初に載っていたのが鈴木さんの写真とコメントであった。当時50代の鈴木さんが今は90歳になっておられる。セブンイレブンの急成長は鈴木さんでなければ実現できなかっただろう。既存の考え方に満足せず、常に先まわりして新しい魅力を作る。この先まわりが出来るかどうか。これが経営者の手腕の見せどころだ。画面に映る鈴木さんは当時と変わらない笑顔で話されていた。高齢になられても柔和な表情で語る鈴木さん。お元気なようで喜ばしい。
番組ではコンビニ経営が曲がり角に来ており、思うような収益が上がらない時代になってきていると伝えていた。私も長年流通関係の仕事を引き受けていたので、その辺りの事情は理解出来る。結論から言えば、コンビニ経営は既にピークを過ぎており、今後は淘汰の時代になるだろう。早い話が客はコンビニに飽きているのだ。その原因はコンビニの乱立で店の違いがなくなり、どこで買っても同じという印象が纏わりついているからだ。元よりコンビニの商品は、スーパーと同じであるにも関わらず価格が高い。それが昨今の値上げラッシュで一際目立つ存在になっているのも要因だ。加盟店契約を締結してコンビニ経営を始めると、様々な経費が必要になる。中でも本部に支払うロイヤリティーの比重は極めて大きい。また昨今の人手不足で人件費が高騰。これに加えて輸送費と光熱費。数え上げたら枚挙にいとまがない。
この打開策として紹介されていたのが、郵便局と手を組んだ出店スタイルである。高齢者が多く過疎化が進む地域においては立地環境が鍵となる。そこへ目をつけたのが郵便局を利用した出店である。セブンイレブンはテストケースとして郵便局内の一部を売り場として活用。局員が接客対応しているという。昨今の店員さんがいない店舗とは真逆のスタイルだが、新規出店よりも経済的というのも頷ける。物事が成熟してピークを迎えると、今までと同じことを続けても結果は良くならない。寧ろ今までになかったアイディアや、出来なかったシステムを作り上げるのも得策なのだ。既存の考えや仕組みにこだわらず、今までにないアイディアを具現化する。これが経済を活性化していく。こういう番組を見ると、歳を重ねても生きる意味が感じられて嬉しくなる。
東京で生活した6年間はコンビニべったりの生活であった。一人暮らしで多忙な日々。頼るところはコンビニしかない。家でも勤務先でも、しょっちゅう出掛けてはタバコと食材を求めていた。あの頃のコンビニは出店ラッシュ。なかでもセブンイレブンは群を抜いていた。あれもこれもと用意された品揃えは圧巻だった。だが時代は大きく変わりつつある。利便性を求めつつ、心の豊かさを求める流れになりつつある。年を重ねると優雅な暮らしよりも、堅実な日々を送りたいと考えるようになる。俺も少しは変わったのかな。
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2023年5月1日
今日は三ヶ月に一度の診察へ出かけた。受付を済ませて待合い室で順番を待つ。モニターには受付番号と担当医の名前が表示されている。自分の受付番号が3番目に映っているが、ここであることに気がついた。主治医の名前が違っているではないか。これはどういう事なのか。もうしかしたら主治医が交代したのかもしれない。聞くところによれば、医師は教師と同じ立場らしく、評判が良ければ異動なし。悪い場合は転任もあり得るという。名前を呼ばれて診察室に入ると、医師が事情を説明してくれた。中川さん、こんにちは。今日から担当させていただく◯◯です。◯◯先生は金曜日に来られなくなりました。それ以上の説明がないことから、諸般の事情と悟った。始まりの春は期待と不安が入り混じる季節なのだ。
昨夜はNHKのクローズアップ現代を見ていた。「コンビニ店主24時」というタイトルが付けられていた。その番組では見覚えのある方が映っていた。セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文(すずき としふみ)氏である。グラフィックデザイナーとしての東京時代。最も依頼が多かった仕事が会社案内である。当時参考にしてくださいと手渡されたのがセブンイレブンの会社案内だ。表紙をめくると最初に載っていたのが鈴木さんの写真とコメントであった。当時50代の鈴木さんが今は90歳になっておられる。セブンイレブンの急成長は鈴木さんでなければ実現できなかっただろう。既存の考え方に満足せず、常に先まわりして新しい魅力を作る。この先まわりが出来るかどうか。これが経営者の手腕の見せどころだ。画面に映る鈴木さんは当時と変わらない笑顔で話されていた。高齢になられても柔和な表情で語る鈴木さん。お元気なようで喜ばしい。
番組ではコンビニ経営が曲がり角に来ており、思うような収益が上がらない時代になってきていると伝えていた。私も長年流通関係の仕事を引き受けていたので、その辺りの事情は理解出来る。結論から言えば、コンビニ経営は既にピークを過ぎており、今後は淘汰の時代になるだろう。早い話が客はコンビニに飽きているのだ。その原因はコンビニの乱立で店の違いがなくなり、どこで買っても同じという印象が纏わりついているからだ。元よりコンビニの商品は、スーパーと同じであるにも関わらず価格が高い。それが昨今の値上げラッシュで一際目立つ存在になっているのも要因だ。加盟店契約を締結してコンビニ経営を始めると、様々な経費が必要になる。中でも本部に支払うロイヤリティーの比重は極めて大きい。また昨今の人手不足で人件費が高騰。これに加えて輸送費と光熱費。数え上げたら枚挙にいとまがない。
この打開策として紹介されていたのが、郵便局と手を組んだ出店スタイルである。高齢者が多く過疎化が進む地域においては立地環境が鍵となる。そこへ目をつけたのが郵便局を利用した出店である。セブンイレブンはテストケースとして郵便局内の一部を売り場として活用。局員が接客対応しているという。昨今の店員さんがいない店舗とは真逆のスタイルだが、新規出店よりも経済的というのも頷ける。物事が成熟してピークを迎えると、今までと同じことを続けても結果は良くならない。寧ろ今までになかったアイディアや、出来なかったシステムを作り上げるのも得策なのだ。既存の考えや仕組みにこだわらず、今までにないアイディアを具現化する。これが経済を活性化していく。こういう番組を見ると、歳を重ねても生きる意味が感じられて嬉しくなる。
東京で生活した6年間はコンビニべったりの生活であった。一人暮らしで多忙な日々。頼るところはコンビニしかない。家でも勤務先でも、しょっちゅう出掛けてはタバコと食材を求めていた。あの頃のコンビニは出店ラッシュ。なかでもセブンイレブンは群を抜いていた。あれもこれもと用意された品揃えは圧巻だった。だが時代は大きく変わりつつある。利便性を求めつつ、心の豊かさを求める流れになりつつある。年を重ねると優雅な暮らしよりも、堅実な日々を送りたいと考えるようになる。俺も少しは変わったのかな。