愛しのアイス

2023年7月24日

梅雨半ばというのに連日30度越えの異常な暑さである。電気代を節約しようと日中はエアコンをつけずに扇風機で我慢している。こまめに水分を摂り、熱中症にならないようにしているが、我慢できない時はアイスクリームを食べるようにしている。アイスを食べると体をクールダウンできるからだ。今回はアイスクリームについて綴ろう。

アイスクリームはそこそこの知識がある。私は昭和の生まれだが、おじさんが自転車やクルマで売りにきていた時代ほど古い人間ではない。幼少期で最も記憶に残っているのはたまごアイスである。たまごアイスを知っている方は昭和の生まれだろう。いわゆるおっぱいアイスである。ヨーヨーの形状をしたゴムの中にアイスクリームが入っている。ゴムの根本をハサミでチョキンと切り落として食べる。食べ方は人それぞれ。直接食べる人もいれば、カップに移して食べる人もいる。直接食べる場合、不器用な人は手のひらに落として手がベタベタになることもある。

たまごアイスの次に印象深いアイスクリームは「ホームランバー」アイスクリームは木製の棒が刺さっている。味はバニラしかなかった気がするが、このアイスは食べ終えた時がお楽しみ。棒に「当たり」の文字があればもう一本もらえるシステムが最大のウリだった。運が良い時は日に2〜3本当たりが出たこともある。現代ほどではないが、昭和の時代も様々なアイスクリームが売られていたのだ。

メロンのカタチをした容器にアイスが入っているメロンアイス。
蓋を開けるとメロンの香りが漂うシャーベットの記憶がある。食べた後は小物入れとして使っていた女の子が多かった。アイスクリームではないが、冷凍庫で作るシャービックという商品も人気があった。その後アイスクリームはより個性的で高級志向へシフトしていく。ピンクレディがCM出演した宝石箱。黒をベースにしたおしゃれなパッケージ。赤、オレンジ、グリーンに着色された氷の粒々が入ったアイスは人気が高かった。そして極め付けはレディーボーデンだろう。乳脂肪分が高く大容量。ついに日本もこんなに美味しいアイスが食べられる時代なったのかと感じたものだ。

毎年様々なアイスクリームが登場するが、私自身のお気に入りアイスも変化している。今のお気に入りは①明治エッセルスーパーカップ(アップルカスタード味②森永乳業PARM(レモン香るチーズケーキ③スガキヤのクリームぜんざいの順である。①はサーティワンのストロベリーチーズケーキを彷彿させる。りんごの甘みと豊かなコクが感じられるカップアイス。②は爽やかなレモン風味だが、こちらもコクがある。③は番外だが昭和世代の名古屋人にとっては特別な存在。昔は130円ほどだったが今や250円になっている。でも美味しいから許そう。

私の思い出の中で、今も生き続けているアイスクリームがある。亡き父が客先へ出掛けた際に買ってきてくれたバルクアイスである。バルクアイスとは円柱形状の紙の容器に収められた業務用のアイスクリーム。最大の特徴は大容量でプロの味。喫茶店やレストランで出されるまんまの味に家族全員が感激した。家族四人で食べても数日楽しめた記憶がある。バニラの他に果肉が入ったストロベリーも頂いた。大きめのスプーンで固まりを崩して食べる幸せ。家族のために常に新しい物を見つけては買ってきてくれた父。遥か彼方の思い出になりつつあるが、父の姿を忘れることはない。アイスクリームは時代を反映した食べ物であり、夏の思い出の象徴でもある。お父さん、たくさんの思い出をありがとう。

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