嫌な渡世だなぁ2024年4月7日
昨今はSNSを利用して、誰もが手軽に情報発信できる時代になった。それは良いことではあるが、個々の倫理観が異なるためか、思いもよらない衝突が起きることもある。先日から報道されている松本人志さんの性加害疑惑を発端に、個人の意見や考え方を批判する人が多くなったように感じている。今回はこれらについて綴りたい。
歌手であり女優としても活躍されている小泉今日子さん(57)が、フリーアナウンサーの有働由美子さんとの対談で発言された内容が波紋を広げている。小泉さんの発言要旨は以下の通り「バラエティ番組は絶対出演したくない。くだらないから」これに対して噛みついた人がいる。落語家の立川志らくさん(60)である。「キョンキョンがバラエティはくだらないから出演しないと言った。はっきり物事を言うその姿はかっこいい。でもね、くだらないから出演しないは看過できない。そのくだらない世界に命をかけている人も沢山いる」とコメントしたという。これについては、個人の意見に一々物申す人が多くなったなぁが私の率直な感想。結論からいえば、小泉さんの発言は全く問題ない。発言の真意を汲み取れば理解できること。小泉さんは幼い頃からのテレビ好きという。だが昨今はバラエティ番組の在り方に疑問を感じており、素直に楽しめない時代になったと発言。好きだからこそ敢えて苦言を呈したのではないかと理解している。
一方の立川志らくさんは落語家であり、コメンテーターとしても活躍されている。常識があるのは言うまでもなく、鋭い視点で切り裂くような発言は説得力がある。しかしながら志らくさんには、もう少しトーンを抑えて発言できないものかと感じる部分があるのも事実。それが落語家としての心意気かもしれないが、自説を誇示するところがあり過ぎの感がある。一言多い印象が纏わりついており、結果的に損をしているように思えてならない。人の数だけ意見があるのは当然のこと。ご自身の見解を力説する気持ちは理解できるが、他人の見解を頭ごなしに否定するのはいただけない。小泉さんは一人の人間として、ごく当たり前の意見を述べたにすぎない。私のように斜からものを見る人間からすれば、むしろ清々しいとさえ感じる。
私自身は小泉さんのファンとは言えないが、アイドル時代から大きく成長された小泉さんの発言に共感できる部分は少なくない。例えば昨今のクイズ番組。出演者のタレントが正解すると、高級食材がプレゼントされる趣向が極めて多い。ギャラを頂くタレントが、高級食材を頂く必要があるのかと小泉さんは嘆いている。お説ごもっとも。私自身もそんな場面をテレビで見る度に、自分で買いなさい!とツッコミを入れている。当然だろう。世界的な物価高騰で、誰もが家計のやりくりに苦労している現実がある。美味しい!嬉しい!を連発するだけのバラエティー番組を制作するテレビ局に対して、嫌悪感すら抱く気分になってきている。またその手のクイズ番組は、誰もが正解できる常識レベルの問題ばかりだ。極論をいえば、全てサービス問題と言ってよい。小泉さんはそれらを含めてくだらないと言っているに違いない。
いかなる立場の人であれ、個人の意見や考え方を頭ごなしに批判するのは容認できない。批判が許されるのは法律を犯した時だけである。発言の真意を汲み取り、相手の考え方を尊重しながら意見を交わす。これが最低限のモラルといえよう。言葉は人の心に喜びと感動を生み出すものだが、使い方を誤ると心を傷つける諸刃の剣。その道のプロと呼ばれる方々は相手に敬意を払い、慎重に言葉を選び発言していただきたい。例え時代が変わっても、そこは不変のままにしていただきたい。それが人としての価値ですから。
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2024年4月7日
昨今はSNSを利用して、誰もが手軽に情報発信できる時代になった。それは良いことではあるが、個々の倫理観が異なるためか、思いもよらない衝突が起きることもある。先日から報道されている松本人志さんの性加害疑惑を発端に、個人の意見や考え方を批判する人が多くなったように感じている。今回はこれらについて綴りたい。
歌手であり女優としても活躍されている小泉今日子さん(57)が、フリーアナウンサーの有働由美子さんとの対談で発言された内容が波紋を広げている。小泉さんの発言要旨は以下の通り「バラエティ番組は絶対出演したくない。くだらないから」これに対して噛みついた人がいる。落語家の立川志らくさん(60)である。「キョンキョンがバラエティはくだらないから出演しないと言った。はっきり物事を言うその姿はかっこいい。でもね、くだらないから出演しないは看過できない。そのくだらない世界に命をかけている人も沢山いる」とコメントしたという。これについては、個人の意見に一々物申す人が多くなったなぁが私の率直な感想。結論からいえば、小泉さんの発言は全く問題ない。発言の真意を汲み取れば理解できること。小泉さんは幼い頃からのテレビ好きという。だが昨今はバラエティ番組の在り方に疑問を感じており、素直に楽しめない時代になったと発言。好きだからこそ敢えて苦言を呈したのではないかと理解している。
一方の立川志らくさんは落語家であり、コメンテーターとしても活躍されている。常識があるのは言うまでもなく、鋭い視点で切り裂くような発言は説得力がある。しかしながら志らくさんには、もう少しトーンを抑えて発言できないものかと感じる部分があるのも事実。それが落語家としての心意気かもしれないが、自説を誇示するところがあり過ぎの感がある。一言多い印象が纏わりついており、結果的に損をしているように思えてならない。人の数だけ意見があるのは当然のこと。ご自身の見解を力説する気持ちは理解できるが、他人の見解を頭ごなしに否定するのはいただけない。小泉さんは一人の人間として、ごく当たり前の意見を述べたにすぎない。私のように斜からものを見る人間からすれば、むしろ清々しいとさえ感じる。
私自身は小泉さんのファンとは言えないが、アイドル時代から大きく成長された小泉さんの発言に共感できる部分は少なくない。例えば昨今のクイズ番組。出演者のタレントが正解すると、高級食材がプレゼントされる趣向が極めて多い。ギャラを頂くタレントが、高級食材を頂く必要があるのかと小泉さんは嘆いている。お説ごもっとも。私自身もそんな場面をテレビで見る度に、自分で買いなさい!とツッコミを入れている。当然だろう。世界的な物価高騰で、誰もが家計のやりくりに苦労している現実がある。美味しい!嬉しい!を連発するだけのバラエティー番組を制作するテレビ局に対して、嫌悪感すら抱く気分になってきている。またその手のクイズ番組は、誰もが正解できる常識レベルの問題ばかりだ。極論をいえば、全てサービス問題と言ってよい。小泉さんはそれらを含めてくだらないと言っているに違いない。
いかなる立場の人であれ、個人の意見や考え方を頭ごなしに批判するのは容認できない。批判が許されるのは法律を犯した時だけである。発言の真意を汲み取り、相手の考え方を尊重しながら意見を交わす。これが最低限のモラルといえよう。言葉は人の心に喜びと感動を生み出すものだが、使い方を誤ると心を傷つける諸刃の剣。その道のプロと呼ばれる方々は相手に敬意を払い、慎重に言葉を選び発言していただきたい。例え時代が変わっても、そこは不変のままにしていただきたい。それが人としての価値ですから。