金色の榛花な道 NEW! 2024年8月27日
私はどう見ても文(化)系、従ってスポーツに関心は低い。だがそれでも四年に一度のオリンピックはかなりの時間を視聴した。今回のパリ五輪で私が最も注目したのは、アスリートのテクニック。加えてメンタルの強さと感性の表現だ。
今回の五輪で日本が獲得したメダルは45個。アメリカ、中国に続いて三位の成績。予想以上に良い結果と言えるだろう。過去には本番に弱いと揶揄された日本人選手もここ数年でメンタルが強くなったのかもしれない。これについてはメジャーリーグに移籍した大谷翔平さん、ダルビッシュ優さんらの活躍で証明できる。一方で気になるのは、メダルを逃した選手が日本で応援してくれた方々に申し訳ないと詫びる発言が余りにも多過ぎること。選手自身の悔しい気持ちは痛いほど理解できる。だが結果を詫びる必要はないし、責任を取る必要もない。勝負事は時の運が左右することもある。たとえ負けても出場責任は果たしたのだ。にっこり笑ってまた挑戦しますと答えた方がよろしいのではないかと感じる。国の代表に選考されたとはいえ、結果で人の価値が変わる訳ではない。エッフェル塔の下でふざけたポーズの記念写真を撮影。SNSへ投稿したマヌケな女性議員らよりも立派なことは誰もが認識している。
今回のパリ五輪は見どころが多かったが、私が最も刺激を受けたのが女子やり投げで金メダルを獲得された北口榛花(きたぐち はるか)さん。北海道旭川市生まれの26歳。身長179cm、タレント顔負けの白い歯が美しい女性アスリートである。競技の結果はもちろんのこと、彼女の個性とセンスも話題になった。瞼にはピンクラメのアイシャドウ。左右色違いのシューズを履いても、違和感を感じさせないセンスの持ち主といえよう。ハーフタイムはフィールドでうつ伏せになり、カステラを摘んでいたことも話題になった。また金メダル決定の際は、身体中で喜びを表現していたのも共感できる。日本代表を背負うことなく、自分の個性を前面に出した結果、金メダル獲得に至ったのではないだろうか。彼女の佇まいは、以前の日本人選手にはなかった個の主張が感じられる。結果を望むあまり萎縮してしまい、自滅する選手が多いのが五輪の怖さ。普段通りを出せるかが勝負の決め手といえよう。恐らく世界中の誰もが、自然体の彼女を応援したい気持ちになったはずだ。ウイニングランでは背負った日の丸が、ハートのカタチになっていた。偶然とはいえ、彼女は持っているアスリートだ。
40年前の1984年は、アメリカのロサンゼルスでオリンピックが開催された。当時の私は23歳、東京のデザイン会社に就職したばかりの時だった。ロス五輪では著名なミュージシャンが各競技のテーマソングを作成。それらの楽曲はCDに収録されて発売された。それ以来オリンピックは商業五輪に変わった感がある。有名企業がこぞってスポンサーを名乗り、売り上げを高めたいと画策した。平和の祭典に巨額な費用がかかる現実は、スポーツが金儲けに利用されていると非難されたこともある。また昨今はオリンピック開催中にも関わらず、世界のどこかで紛争が起きている。喜びと共に様々な課題を残したパリ五輪は閉幕した。人が喜ぶ姿を見るのは良いものだが、4年後の次回五輪は再びアメリカで開催される。誰もが穏やかな気持ちで生活できるよう、紛争の終結を願うばかりだ。
今週はお盆休み臨時増刊号。今夜も新記事を公開します。
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2024年8月27日
私はどう見ても文(化)系、従ってスポーツに関心は低い。だがそれでも四年に一度のオリンピックはかなりの時間を視聴した。今回のパリ五輪で私が最も注目したのは、アスリートのテクニック。加えてメンタルの強さと感性の表現だ。
今回の五輪で日本が獲得したメダルは45個。アメリカ、中国に続いて三位の成績。予想以上に良い結果と言えるだろう。過去には本番に弱いと揶揄された日本人選手もここ数年でメンタルが強くなったのかもしれない。これについてはメジャーリーグに移籍した大谷翔平さん、ダルビッシュ優さんらの活躍で証明できる。一方で気になるのは、メダルを逃した選手が日本で応援してくれた方々に申し訳ないと詫びる発言が余りにも多過ぎること。選手自身の悔しい気持ちは痛いほど理解できる。だが結果を詫びる必要はないし、責任を取る必要もない。勝負事は時の運が左右することもある。たとえ負けても出場責任は果たしたのだ。にっこり笑ってまた挑戦しますと答えた方がよろしいのではないかと感じる。国の代表に選考されたとはいえ、結果で人の価値が変わる訳ではない。エッフェル塔の下でふざけたポーズの記念写真を撮影。SNSへ投稿したマヌケな女性議員らよりも立派なことは誰もが認識している。
今回のパリ五輪は見どころが多かったが、私が最も刺激を受けたのが女子やり投げで金メダルを獲得された北口榛花(きたぐち はるか)さん。北海道旭川市生まれの26歳。身長179cm、タレント顔負けの白い歯が美しい女性アスリートである。競技の結果はもちろんのこと、彼女の個性とセンスも話題になった。瞼にはピンクラメのアイシャドウ。左右色違いのシューズを履いても、違和感を感じさせないセンスの持ち主といえよう。ハーフタイムはフィールドでうつ伏せになり、カステラを摘んでいたことも話題になった。また金メダル決定の際は、身体中で喜びを表現していたのも共感できる。日本代表を背負うことなく、自分の個性を前面に出した結果、金メダル獲得に至ったのではないだろうか。彼女の佇まいは、以前の日本人選手にはなかった個の主張が感じられる。結果を望むあまり萎縮してしまい、自滅する選手が多いのが五輪の怖さ。普段通りを出せるかが勝負の決め手といえよう。恐らく世界中の誰もが、自然体の彼女を応援したい気持ちになったはずだ。ウイニングランでは背負った日の丸が、ハートのカタチになっていた。偶然とはいえ、彼女は持っているアスリートだ。
40年前の1984年は、アメリカのロサンゼルスでオリンピックが開催された。当時の私は23歳、東京のデザイン会社に就職したばかりの時だった。ロス五輪では著名なミュージシャンが各競技のテーマソングを作成。それらの楽曲はCDに収録されて発売された。それ以来オリンピックは商業五輪に変わった感がある。有名企業がこぞってスポンサーを名乗り、売り上げを高めたいと画策した。平和の祭典に巨額な費用がかかる現実は、スポーツが金儲けに利用されていると非難されたこともある。また昨今はオリンピック開催中にも関わらず、世界のどこかで紛争が起きている。喜びと共に様々な課題を残したパリ五輪は閉幕した。人が喜ぶ姿を見るのは良いものだが、4年後の次回五輪は再びアメリカで開催される。誰もが穏やかな気持ちで生活できるよう、紛争の終結を願うばかりだ。
今週はお盆休み臨時増刊号。今夜も新記事を公開します。