来てくれてありがとう NEW!2024年11月5日
猛暑もようやく終わりを告げ、ここ数日は秋らしい日々が続いている。三ヶ月に一度の診察を受けるため、先週末に近所の病院を訪れた。待合室はいつ来ても満員。座る場所を探すのも苦労する。待つこと30分。モニターに自分の番号が表示された。
番号を呼ばれて診察室へ入る。私の担当医はK先生。威圧感がない口調が最大の特徴。お世話になりますと挨拶を交わして、何も起きていませんかと尋ねられた。はい、何も起きていません。その後血圧測定と次回診察日の確認。いつもならここで終了するのだが、なぜか今回は違った。先生が話しはじめた。実は私派遣のため、今回が最後になります。中川さんの容体は次の担当に申し送りしましたのでご安心ください。(え〜、顔も名前もようやく覚えたのに、もう代わるか)前任の医師は家庭の事情で担当曜日が変わり、K先生へ交代。しかも今年3月に交代したばかりだ。また医師に派遣があるとは知らなかった。この病院へ勤務する妻に尋ねたところ、出向の意味かもしれないとのこと。短い間でしたが、大変お世話になりました。いつまでもお元気で。別れの挨拶を交わした。いつもにこやかな優しい先生だった。実はこの病院も近い将来、新築移転が予定されているという。上がその完成予想図である。
私は6年前に脳出血を発症した。その予兆もあった。電話に出た際、発音が上手くできていないと感じた。何か変だと車を運転して帰宅した。途中の交差点で停車した記憶もしっかり残っている。ところが帰宅後、冷蔵庫から2Lのペットボトルを取り出す際、左手からスルリと抜け落ちた。アレと思いながら再び手にしたところ、また抜け落ちた。これはおかしいと妻へ連絡。地元の総合病院へ入院した。私の妻はかつてこの病院へ勤務しており、友人らに電話をかけて受け入れを準備してくれたという。私の入院がきっかけで、妻はその病院から声がかかり、再び勤務することになった。人の縁というものはありがたく不思議なものだ。
私が入院当時、こちらでは多くの医師と看護師さんにお世話になった。だが一つだけ残念に思うこともあった。それは食事が美味しく感じなかったこと。大変失礼ながら、正直に申し上げると不味いと感じた。中でも白米が恐ろしく不味かった。あくまでも推測であるが、古米ではないかと感じた。私が入院当時、患者さんが真夜中にスナック菓子やおせんべいを食べる音が度々聞こえてきた。恐らく食事が不味くて、満足な量を食べなかったのだろう。因みに現在病院内の売店では、お弁当や焼き立てパンが販売されている。私がリハビリ専門病院へ転院の際、最も重視したのが清潔な環境と食事の充実だった。転院先は一年前にリニューアルしたばかり。快適そのものだった。私自身はカロリー制限があったので、白米は小ぶりの茶碗1杯だけだった。血糖値は問題なしと判断されて、美味しい肉料理も提供されていた。食事が充実するとリハビリもやる気が出る。僅か二ヶ月で退院のお勧めを頂いた。いや、こいつは口が悪いので、早く退院させた方がいいという方針だったのかもしれない。
今日は診察室に入る前、患者さんと対話を交わすK先生の声が聞こえていた。○○さん、これから寒くなるから大事にしてください。どうかお元気でね。お年寄りの患者さんに対して担当を離れることを伝えたのだろう。そして最後の一言が泣かせてくれる。「今日は来てくれてありがとう」こんな優しい言葉をかける医師を私は知らない。少しうるっときて病院を後にした。K先生、お世話になりました。
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2024年11月5日
猛暑もようやく終わりを告げ、ここ数日は秋らしい日々が続いている。三ヶ月に一度の診察を受けるため、先週末に近所の病院を訪れた。待合室はいつ来ても満員。座る場所を探すのも苦労する。待つこと30分。モニターに自分の番号が表示された。
番号を呼ばれて診察室へ入る。私の担当医はK先生。威圧感がない口調が最大の特徴。お世話になりますと挨拶を交わして、何も起きていませんかと尋ねられた。はい、何も起きていません。その後血圧測定と次回診察日の確認。いつもならここで終了するのだが、なぜか今回は違った。先生が話しはじめた。実は私派遣のため、今回が最後になります。中川さんの容体は次の担当に申し送りしましたのでご安心ください。(え〜、顔も名前もようやく覚えたのに、もう代わるか)前任の医師は家庭の事情で担当曜日が変わり、K先生へ交代。しかも今年3月に交代したばかりだ。また医師に派遣があるとは知らなかった。この病院へ勤務する妻に尋ねたところ、出向の意味かもしれないとのこと。短い間でしたが、大変お世話になりました。いつまでもお元気で。別れの挨拶を交わした。いつもにこやかな優しい先生だった。実はこの病院も近い将来、新築移転が予定されているという。上がその完成予想図である。
私は6年前に脳出血を発症した。その予兆もあった。電話に出た際、発音が上手くできていないと感じた。何か変だと車を運転して帰宅した。途中の交差点で停車した記憶もしっかり残っている。ところが帰宅後、冷蔵庫から2Lのペットボトルを取り出す際、左手からスルリと抜け落ちた。アレと思いながら再び手にしたところ、また抜け落ちた。これはおかしいと妻へ連絡。地元の総合病院へ入院した。私の妻はかつてこの病院へ勤務しており、友人らに電話をかけて受け入れを準備してくれたという。私の入院がきっかけで、妻はその病院から声がかかり、再び勤務することになった。人の縁というものはありがたく不思議なものだ。
私が入院当時、こちらでは多くの医師と看護師さんにお世話になった。だが一つだけ残念に思うこともあった。それは食事が美味しく感じなかったこと。大変失礼ながら、正直に申し上げると不味いと感じた。中でも白米が恐ろしく不味かった。あくまでも推測であるが、古米ではないかと感じた。私が入院当時、患者さんが真夜中にスナック菓子やおせんべいを食べる音が度々聞こえてきた。恐らく食事が不味くて、満足な量を食べなかったのだろう。因みに現在病院内の売店では、お弁当や焼き立てパンが販売されている。私がリハビリ専門病院へ転院の際、最も重視したのが清潔な環境と食事の充実だった。転院先は一年前にリニューアルしたばかり。快適そのものだった。私自身はカロリー制限があったので、白米は小ぶりの茶碗1杯だけだった。血糖値は問題なしと判断されて、美味しい肉料理も提供されていた。食事が充実するとリハビリもやる気が出る。僅か二ヶ月で退院のお勧めを頂いた。いや、こいつは口が悪いので、早く退院させた方がいいという方針だったのかもしれない。
今日は診察室に入る前、患者さんと対話を交わすK先生の声が聞こえていた。○○さん、これから寒くなるから大事にしてください。どうかお元気でね。お年寄りの患者さんに対して担当を離れることを伝えたのだろう。そして最後の一言が泣かせてくれる。「今日は来てくれてありがとう」こんな優しい言葉をかける医師を私は知らない。少しうるっときて病院を後にした。K先生、お世話になりました。