Happy Birthdayケロヨン!

From Me To You

ガラスのハートのキミへ　

また一方、人としての魅力は、裏表の無い人格と、気配りができる温かい心の持ち主であること。彼女を採用した当時、私は日々多忙であった。仕事を確保して売り上げを作る一方、若い社員の面倒も見なければならない。ディレクションだけではなく、自身でデザインを制作する事も多々あった。連日のサービス残業。ゆっくりと食事すらできない日々であった。そんな私を見ていたせいか、彼女は昼食に出かける度に、私にお弁当などを買ってきてくれた。仕事において、私にボロクソに怒られてもである。どんなに叱られても、愚痴ひとつこぼさず仕事に挑む姿を目にした時、この子を採用して良かったと実感したものである。そして何よりも、絶対に一人前にしてあげなければいけないと感じた。それ以来、彼女には敢えて厳しく接してきた。その結果、今や私が最も信頼している友人である。

私の独立後、彼女が携わってくれた仕事は数えしれず。コロナ禍以前は彼女と共に、取材を兼ねた日帰りの旅に何度も出掛けた。京都、大阪、神戸、伊勢志摩、高山。恐らく気があっているのであろう。異性で友情など芽生えるはずがないと思っていたものの、今や親友と言って良い間柄である。私に対して常に遠慮がちなケロヨンは、少し言葉足らずなところもあり、これがしばしば衝突を招く原因になることもある。ま、それも彼女の良いところではある。彼女の人となりを紹介する話題はいくらでもあるのだが、ケロヨンはシャイな性格。それ故に、自分自身の事を他人には話したがらない。ましてや、メディアに晒すのはもっての外と考えているようである。そこで本記事は、彼女の描いたイラストから、ケロヨンF谷の人となりを感じていただければ幸いである。

彼女が描くイラストには不思議な魅力がある。私と彼女しか分からないであろう内輪ネタ満載のケロヨンワールド。イラストには、二人が交わした会話や、描いた当時の出来事が表現されている。全て彼女が私に送信したメールに描かれたイラストである。描かれたキャラクターはケロヨン自身の他、所々に私も登場している。髪の毛が多いからと、毎回爆発した様なヘアスタイルで描かれた私のイラストには悪意すら感じる。また、猿とカエルはケロヨンF谷の二面性の象徴である。生真面目な猿と、自由気ままなカエル。しかも二匹には名前が付けられている。猿は猿渡君。カエルはケロである。