GT STORY

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撮影でよく通った名鉄金山橋駅付近。当時は7300系と3550系の併結などもよく見られた。

思 い 出 は 遙 か 彼 方 に 。

2020年3月グラフィックトレイン20周年記念
アートコレクション(オリジナル鉄道画集)発売決定。

私は高校3年生まで、東海道本線と名鉄名古屋本線が並走する沿線に住んでいました。

当時は国鉄の全盛時代で色とりどりの列車がひっきりなしに通過する区間でした。

中でも鮮明に残る思い出は小学生の頃、早朝に父と近所の踏切まで散歩した事です。

お目当てはEF65が牽引する寝台特急「あさかぜ」です。季節は夏。セミの声が聞こえ、

日差しが燦々と降り注ぐ中、父と一緒に列車の通過を待ちました。

一瞬レールがキラッと光り列車が接近する音が響いてきます。

先頭の機関車が警笛を鳴らすと、青い列車は轟音と共に通り過ぎて行きました。

乗り物が大好きな父の影響を受けたのか私にとって鉄道が趣味の一つとなりました。

時は移り変わり30年後パソコン全盛の時代となり、

私の仕事もデジタル技術を駆使したものが隆盛になっていました。

そんな中オーサリングソフト「DIRECTOR」と出会い、

趣味で制作を始めたのが動く鉄道図鑑「グラフィックトレイン」です。

コレを使えば自分の見た鉄道情景を再現できるのではないかと思いました。

まず車両の作画から始めました。時代は3Dが主流になっていましたが、車両の美しさが

際立つのは2Dの信念を貫き、敢えてドットグラフィックスで制作を始めました。

果たして2Dでどこまで出来るのかという探究心もありました。

当時はウィンドウズ95の登場で、様々なCD-ROM作品が流通し始めたのもこの頃です。

鉄道を題材にした物にはファンが描いた車両が走行するフリーウエアもありましたが、

情景の無い黒いバックの中を淡々と走行するものでした。

自分ならきっとクオリティの高い作品が作れると思い制作を始めて以来20数年。

気がつけば描いた車両は1800種を超え、プログラムも随時改良を重ねた結果、

様々な機能を付加させることもできました。また本作品を製作した事で、

全国の鉄道ファンと知り合えた事は私にとって何よりの財産となりました。

そして今回グラフィックトレイン20周年を迎えて、

鉄道画集の制作に加えてグラフィックトレイン本体の記念バージョン、

GT2020Rの制作も合わせて行いました。

GT2020Rは車両と情景の新作を加えて見応えのある作品に仕上げました。

画集はハンドメイドの期間限定生産。GT2020Rをセットにした仕様も販売致します。

グラフィック トレインをご存知の方には勿論の事、沢山の方にご覧頂ければ幸いです。 

2019年11月27日