グラフィックデザイナーのブログミュージックビジネスとデザイン①
2020年10月6日BEATLES
昨今の音楽業界はCDがサッパリ売れずに大不況と聞く。
原因は様々あるだろう。
スマホの普及でネット中心の生活になり、エンタテインメントなコンテンツも
多様化している。この結果音楽への関心も低下した事で市場規模が縮小。
またiTunes等によるダウンロード販売が増加した事も大きな要因かも知れない。
そんな中洋楽では、ロックレジェンドのカタログ作品をデジタルリマスターして
特典CDや豪華本をセットにした限定コレクションが次々発売されて良く売れている。
ファンなら一度は耳にした事があると思うが、
昨年リリースされたビートルズのホワイトアルバム50周年記念盤や
元ビートルズ、ポールマッカートニーのアーカイブコレクションシリーズである。
ポールのアーカイブコレクションは2010年からリリースされているソロ作品シリーズで
毎年1~2作のペースで発売されている。ビートルマニアの自分もはまっているのだが、
何せ高額な商品である。最初は1万円程だったものが、その内に2万円を超える様になり、
直近の作品は2作品をセット販売にして非売品の特典CDを付けて59,400円である。正にファン泣かせの足元を見た殿様商売といっても過言では無い。
ポールのアーカイブコレクションには、CDとアナログレコードの各フォーマットがあり、
スーパーデラックスエディションを頂点に数種類のラインナップが用意されている。
ボクは各作品CDフォーマットの全ラインナップを所有しているが、
今年の5月にリリースされたばかりの最新作には本当に驚いた。
ポールが久し振りに全米ナンバー1を勝ち取ったアルバム「エジプトステーション」の
スーパーデラックスボックスセット、通称トラベラーズエディションである。
エジプトステーショントラベラーズエディションボックスセット
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤59,400円 2019年5月27日発売
内容
『エジプト・ステーション』初回盤2枚組LP
『エジプト・ステーション』初回盤CD
『エジプト・ステーション』カセットテープ
『エジプト・ステーション』HDオーディオ(ダウンロード)
・ボーナスLP『エジプト・ステーションII』未発表3曲、2018年ライヴ4曲
・『エジプト・ステーション』カセットテープ
・『エジプト・ステーション』HDオーディオ(ダウンロードカード)
・ボーナスLP『エジプト・ステーションII』未発表3曲と2018年ライヴ4曲を収録)
・ポール手書きメモのコピーと折り畳み地図
・メモラビリア(旅程表、ポストカード、ファーストクラスチケット、ステッカー)
先に断っておくが、コレはアーカイブコレクションシリーズでは無く、
36年振りに全米ナンバー1を勝ち取ったアルバム「エジプト・ステーション」の
スーパーデラックスボックスセットと言う位置付けである。
外装は正にスーツケースだ。デカイ。重い。そして開けるとコレでもかというぐらい中身がぎっしりと詰まっている。LPレコードにCDとカセット。コレに加えてハイレゾ音源のダウンロードができる。この他トランプに航空券など作品をイメージしたメモラビリアがコレでもかとセットされているのだ。59,400円を高いと思うか安いと思うかは人夫々だろう。
ボクも流石にコレ本当に買う必要あるか?と悩んだが、今まで全作品を購入してきただけに
コレだけ買わないと言うワケにもいかず即決予約した。正にコレがファン心理と言うものだ。しかし家に届いた時はこんなでかいモノをどこに収納すれば良いのかと悩んだが、
近日事務所に持って行こうという事で一件落着した。
昨年発売後瞬時に完売した大人気の前作品がコレ。
☆ポール・マッカートニーアーカイブコレクション
ウイングス 1971-1973<スーパー・デラックス・エディション
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤 59,400円 2018年12月9日発売
正にそびえ立つボックス。世界限定3000セット販売。ウイングス のアルバム「ワイルドライフ」と「レッド・ローズ・スピードウェイ」のデラックスエディション2作品をセットにしたもので、ユニバーサルミュージックサイト限定で販売された。ボクはこのセットだけに付属する未発表ライブCD欲しさで1週間ほど悩んだ末に予約したが、その後瞬時に完売した様でネットでは高額な転売も見られた。
☆セット内容
★『ウイングス・ワイルド・ライフ』デラックス・エディション(3CD+1DVD)
★『レッド・ローズ・スピードウェイ』デラックス・エディション(3CD+2DVD+1Blu-ray)
★このセット限定の未発表ライヴ・アルバム『ウイングス・オーヴァー・ヨーロッパ』
(1972年のヨーロッパ5公演からセレクトした20曲を収録した非売品CD)
★リンダ・マッカートニー撮影の未発表写真を収録した96ページの豪華写真集0
★『1972 Wings Over Europe Tour』のプログラムのレプリカ
★96kHz/24bitハイレゾ音源のダウンロード・カード付付属
カタログ作品をリイシューする際、最近の傾向として、紙ジャケットCDやアナログLPでリリースする作品が増えつつある。
実際に欧米ではCDよりもレコードの方が売れる作品もあり、アナログレコードの販売は2013年には英国で前年比100%の上昇、またアメリカでも前年比32%の上昇と報告されている。
現在若い世代を中心に世界的なアナログレコードブームとなっており、音楽産業が不振の中でアナログレコード復権に期待する声も高いのは事実だ。レコードの利点は様々ある。
デジタルと正反対な大陸的で伸びやかなサウンド、アーティストの作品への想いを感じられるA/B面構成と曲順、また作品の顔であるジャケットの存在も大きい。最近ではレコードも通常の黒だけでは無く鮮やかなカラーヴィニールを採用しているのもひとつのトレンドである。
カラフルなカラーヴィニールの採用が増えたアナログレコード。
昔からビートルズのレコードはベスト盤等に限定で赤や青のカラーLPはあったが、最近のカラーレコードは黄色やオレンジにグリーンやシルバーといったものから、赤と黄色の2トーン、マーブルカラー等実に様々なものがリリースされており食指をそそられる。
しかしボクはレコードプレーヤーを30年前に処分しているので残念ながら現状では購入しても視聴することができない。それを承知の上で購入するなら、コレクション目的と割り切る事になる。それでもと言うかやはりと言うか、今回初めてカラーLPという禁断の領域に足を踏み入れてしまった。ボクが今回購入したのはポール・マッカートニーのライブアルバムバンドルという輸入盤の限定セットだ。
ポール・マッカートニーライブアルバムバンドル 145ドル2019年7月12日発売(完売)
以下4種のライヴアルバムが限定のカラーヴィニール仕様でセット販売された。
輸入盤4種セットで日本円で2万円弱。ボクはポールの直販サイトからネットで申し込み、
先日アメリカから航空便で商品が到着した。到着後サイトを確認したらSOLD OUTだった。やはりレコード復権の兆しは確実にある様だ。
☆ウイングス ・オーヴァー・アメリカ
1976年に3枚組LPで発売された全米ツアーのライヴ盤
レッド、ブルー、グリーンのカラーヴィニール3枚組。
因みに1980年頃、ロスアンゼルスフォーラム公演のブートレッグが
赤、青、白のカラーヴィニール3枚組ボックスで発売された事がある。
☆アメーバ・ギグ
2007年
ロスアンゼルスアメーバミュージックストアで行われたライブ盤
クリアカラーとシックなゴールドカラーヴィニールの2枚組。
☆バック・イン・ザ・USSR
1988年ロシアのみで発売され、後に1991年世界共通CD発売
鮮やかなイエローカラーヴィニール
☆ポール・イズ・ライヴ!
1993年に発売されたニュー・ワールド・ツアーのライヴ盤
珍しいベビーブルーと白桃カラーのヴィニール
ビートルズの最高傑作アルバムと名高いアビイ・ロード
50周年記念盤が近日リリース。
アビイ・ロードはビートルズの最高傑作に挙げる人が多いアルバムである。
今年で発売50周年を迎える為、ファンの間では以前から噂になっていたがどうやら確実にリリースされる様だ。ここで簡単に説明しておくと、アビイ・ロードはアルバムレット・イット・ビーの前の作品と思っている人が多いが、実際にはレット・イット・ビーの後に作られたものでビートルズとしての実質最終作品である。今回50周年記念盤と言う事で、昨年発売のホワイトアルバム同様にリミックスされてリリースされる。スーパーデラックスエディションにはデモやアウトテイク等の未発表音源のCDと豪華本が付属する。何はともあれ最新技術でビートルズの最高傑作が蘇るのだ。ビートルズを愛するファンとして生きていて本当に良かったと思う。これであとは来年公開予定の映画、「レット・イット・ビー」のニューバージョンとオリジナルバージョンのレストア版Blu-rayの発売が楽しみである。
ビートルズファンにとってはしばらく散財が続くのは間違いない。
☆アビイロード50周年記念盤9月27日発売
CDとLPの2フォーマット、5種類のラインナップでリリースされる。
・50周年記念盤スーパーデラックスエディション4DISC(3CD+音源のみのBlu-ray)
・50周年記念盤デラックスエディション2CD
・50周年記念盤1CD
・50周年記念盤3LPBOX
・50周年記念盤1LP
余りにも有名なアビイ・ロードのジャケットから広まったウワサ。 ポールはすでに死んでいる?
ビートルズのアルバムジャケットはいずれもデザイン性の高いモノばかりだ。
中でもアビイ・ロードはその印象的なデザインで世界中のビートルズファンから愛され、
今や観光名所にもなっている。またリリース当時、そのジャケットデザインから
様々な憶測が飛び交い、ポールマッカートニーはすでに死んでいるのではないか?
と言う死亡説が世界を駆け巡った。
アビイ・ロードのジャケットデザインから読み取るポール・マッカートニー死亡説の根拠
・ポール以外の3人の服装に注目して欲しい。
→ジョンは牧師、リンゴは葬儀屋、ジョージは墓掘人を意味している。
・ポールだけなぜか裸足で歩いている。
→裸足は死者を意味する。後にポール自身あの日は暑かったから裸足で歩いたと発言している。
・左利きのポールが右手でタバコを持っている。
・ポールだけが右足で踏み出している。
・横断歩道後方に駐車しているワーゲンのナンバーがIF28。
→もしポールが生きていれば28歳を意味している。
Paul is Live! はビートルズのアビイロードを
セルフパロディで表現した愉快なジャケットデザイン。
PAUL IS LIVEはアビイロードをセルフパロディで表現したジャケットデザイン。
・アビイロードはポールだけが裸足 だったが、
→ PAUL IS LIVEは靴を履いている。
・アビイロードは左利きのポールが右手でタバコ を持っていたが、
→ PAUL IS LIVEは左手で犬のリードを持ってる
・アビイロードはポール一人だけが右足で踏み出したていたが、
→ PAUL IS LIVEは左足で踏み出してる
・アビイロードは駐車中のワーゲンのナンバーが「28IF」だったが、
→PAUL IS LIVEは「51ISになっている。(現在51歳ですの意味)
アビイ・ロード50周年記念盤のリリースが待ち遠しい。
今回カラーLPを購入した事でいずれボクもレコードプレーヤーを再購入するかも。
オマケの1枚。
こんなところにもアビイロードの影響が。
2016年奈良環境協会製作のキャンペーンポスター
ビートルズ12作目のアルバムアビイロードを彷彿させるデザインだ。
2020年10月6日BEATLES