在りし日の家族に捧げる。 覚えているかい。 一緒に暮らした日々を。
2020年10月8日FAMILY STORIES
振り返ると、楽しい時、悲しい時、辛い時、
いつも側に君たちがいてくれた。
最初に飼った犬のピッキーは日曜日の朝、亡くなっているのを見つけた。
物陰に横たわりひっそりと。
体に触れた時の冷たさは子供心にも衝撃的だった。
お父さん、ピッキーが死んでる。茫然と立ち尽くした。
ポメラニアン犬のノンは私が東京で暮らした1年目の秋に亡くなった。
死にましたと書かれた手紙が届いた時は耐えきれず実家に帰った。
名古屋に向かう新幹線の中、カーテンで顔を隠して泣いていた。
実家で飼っていたネコのノエルは、21歳の長寿を全うして亡くなった。
数日前から具合が悪く動物病院に預けた時、医師から電話があった。
後わずかの命ですが、それでもこの子は懸命に生きようとしていますよ。
亡くなる直前、苦しそうに呼吸するノエルを前にして母は呟いた。
ノエル、今まで十分に頑張ったからもう頑張らなくていんだよ。
数分後、家族に見守られて静かに息を引き取った。
それまで飼ったことが無いジリスのコロンは、私の手の中で亡くなった。
前日まであんなに元気だったのに。
父を失った寂しさを癒してくれたキミまでも逝ってしまうとは。
母はコロンの亡骸を肩に乗せ、子守唄を口ずさみながら庭へ連れて出た。
あたかも自分の子供の様に。
あれから10年以上も経つのに君たちが亡くなった虚しさは消えない。
思い出の写真を目にすれば時の流れは止まったまま。
涙腺が緩い私は涙があふれ出て止まらない。
人よりも寿命が短い動物との別れは切ない。そして命は儚い事を思い知らされる。
でも、君たちが元気な頃を思い出す時はいつも、
命尽きるまでしっかり生きるんだよと言われている気がする。
かけがえのない家族達、約束するよ。そしてありがとう。
決して忘れやしない。君たちと一緒に暮らした幸せな日々を。
☆Same Love/Paul McCartney(1997/2020Remaster)
https://www.youtube.com/watch?v=0d2ka_tANOQ
2020年10月8日FAMILY STORIES