Dream A Nightmare私が見た怖い夢、不思議な夢
2020年10月22日EXPERIENCE
目の前には数名の女性警察官。私は後ろ手に手錠をかけられ、粘着テープで厳重に口を塞がれている。その後ベッドに寝かされて拘束され、全身麻酔剤を注射されてしまう。静寂の後、弓矢が放たれて私の左胸に突き刺さった。激痛の中傷口を見ると、どくどくと血が溢れ出ている。以前この様な怖い夢を見たことがあった。今回は私が見た怖い夢、不思議な夢、東京時代の友人が語った霊体験を綴ってみる。尚、本記事で綴った夢の内容は幼少期の記憶も含まれている。できうる限り当時の記憶を呼びさまして記述したつもりではあるが、絶対と断定できない事はご容赦いただきたい。また今回は本文中に、画像やイラストは一切使用していない。皆様の想像力を働かせてお読みいただきたい。
今までに見た最も怖い夢は女性警察官に殺害される夢だ。この夢は大分前に見た記憶がある。夢の中の時代設定は不明だが、場所はアメリカの西海岸を連想させるものだった。従って夢の中の会話は英語だが、便宜上日本語で記述させていただく。また、本文に登場する女性警察官の名前は、夢の中で見たイメージから名付けた架空のものである。
とあるホテルの一室。私はソファに座ってネットを見ている。いきなりドアを蹴飛ばす大きな音が響いた。驚いた私がドアを開けると、濃紺の制服を着た二名の女性警察官が立っていた。二人とも白い手袋をはめてサングラスをかけている。一人はブロンドヘア、もう一人は黒髪だった。制服の左肩には金色の刺繍が施されたブルーのワッペンが付いていた。テレビドラマや映画で見たことがあるアメリカの警察官に違いない。
ブロンドヘアの女性警官が私にバッジを見せて話を切り出した。「ロス警察のクリスよ。あなたに逮捕状が出ています。」驚きながらも冷静を装う私。「オレがそんな事をする訳がない。人違いだよ」「ではあなたのパスポートを見せて」「日本から来たのね。観光目的ですか」「ええ」「OK Akira. 落ち着いて私の話を聞いて。殺人容疑であなたを逮捕します」黒髪の警官が続いて話す「私はロス警察のリサよ。これからあなたを署に連行するわ」「ちょっと待って下さい、逮捕するのなら証拠を出してよ」その場から逃げようとした私に黒髪の警官が掴みかかった。凄い力だ。腕を掴まれ投げられてしまった。「クリス、手錠をかけて」ブロンドヘアの警官が右手に手錠を握っている。映画“逃亡者”で見た事がある凶悪犯用だ。手錠の鎖の先には足錠が付いていた。「立ちなさい。手を頭の後ろで組んで、足を広げて」彼女に促されて言われた通りの姿勢を取らされる私。私は後ろ手にされて手錠をかけられた。緊張と恐怖感で足が小刻みに震えている。続いて足錠をはめられた。錠を締めていくカチカチという音が否が応でも現実を認識させる。何事かとホテルの従業員が集まり私をじろじろ見ている。「ジャパニィーズ!」「不当逮捕だ。手錠を外してくれ!」抵抗する私にブロンドヘアの警官が一喝した。「おとなしくして!」私は待機していたパトカーに乗せられた。運転席にはベージュのシャツを着た女性警察官。ハイウエイパトロール隊員の様だ。彼女は本部に無線連絡を入れた。「容疑者を確保しました」無線機から音声が漏れ聞こえてくる。「了解。署に連行して」クリスとリサ、二人の女性警官が私を挟む様に両脇に座る。「少しの間我慢して」署までの経路を不明にする為か目隠しをされる私。外の景色は全く分からない。
暫くしてパトカーが走り出した。車内で三人の女性警官が談笑している。「署に着いたら最初に身体検査ね。その後取り調べて独房に収監してやるわ」「クリス、彼を担当して」「私が?」「お願いね」事の重大さに気付き、腹の底からじわじわと恐怖感がこみ上げてきた。どのくらいの時間を走ったのだろうか。車が到着した場所は古い病院だった。「どうするつもりだ!」ブロンドヘアの警官が私に告げる。「安心して、署には連行しないわ」「見逃してくれるのか?」「いいえ違うわ。あなたはここで‥」なぜか会話の最後が聞こえない。なぜこんな事になったのかと錯綜する自分。テロリストに誘拐された日本人のニュース映像が頭をよぎった。
身動きした私に気づいたのか黒髪の警官が言い放った。「クリス、彼の口を塞いで」ブロンドヘアの警官が私の口にガーゼを押し込み、粘着テープで厳重に巻いた。「うぐ‥」されるがままの状態。逮捕と拘束された恐怖で全身の震えが止まらない。彼女が耳元でささやく。「哀れな姿ね」「うぅ」声にもならない。車椅子に座らされ、数名の看護師に付き添われて特別室に運ばれた。病室のドアには赤い文字で書かれた処置室のプレートが付いていた。ベッドにはモニターが設置され、血圧や心拍数が表示されている。ふとテーブルに目を向けると、ステンレス製トレイの中に三本の注射器と薬剤の小瓶、メスやカテーテルが用意されていた。一体何に使うのだろうと考える私。そこに看護帽を着けた医療刑務官が現れて注射器に透明な薬剤を注入している。殺されるかも知れない‥。力を振り絞って抵抗する私。「動いちゃダメ」医療刑務官が私の頭を左手で抑えて右頬にメスを当てた。数秒後、彼女の右手がゆっくりと動き始めた。右頬がメスで切られていく。激痛に叫び声を上げる私。彼女は声を出して笑っている。私が恐る恐る鏡を見ると、唇の右端から頬骨辺りまでザックリと切られていた。そして気を失ってしまった。
気がつくとメスで切られた右頬は縫合されてガーゼが当てられている。体はベルトで拘束されベッドに寝かされたまま。私は左上腕部をアルコール綿で消毒されていた。ブロンドヘアの警官が微笑み私に告げた。「何か言い残したい事はあるかしら?」「オレを殺すつもりだろう?それだけは止めてくれ!」彼女が医療刑務官に目配せした。透明ゴーグルをつけ、ビニールの手袋をはめている。「では一度だけ説明するわね」「今からあなたに3種類の薬剤を注射するわ。最初に全身麻酔剤を静脈に注射。これで意識を失うわ。次に筋弛緩剤を注入。呼吸が出来なくなるわ。最後に塩化カリウム溶液を投与。心臓が停止して死体袋に入れられるのよ」「なぜそんな酷い事を‥」「あなたには関係のない事よ」「では刑を執行します」泣き叫ぶ私。三人の女性警官が私の体を抑え続けている。暫くして一本目の注射が静脈に打たれた。透明な薬液が私の体に注入されていく。強烈な眠気と脱力感に襲われてなす術もない。目を閉じて死を覚悟する自分。だが二本目の注射はいつまで経っても打たれない。助かったのかと安堵する自分。
その直後「ドゥキューン!」という音が聞こえてクロスボウから矢が放たれた。激痛で身をよじる私。心臓に突き刺さった矢の根本から大量の血液が溢れ出ている。徐々に意識が遠のいていく。オレ死ぬのか‥。その後、これは夢だと気付いて目覚めた。今まで自分が殺される夢を見た事が無かったのでこの夢は本当に驚いた。逮捕から射殺されるまで、あまりにもリアルな描写で恐怖に慄いた。夢の中で薬剤を注射された時は、体が硬直していた様な気もする。夢から覚めて、思わず自分の左胸を触ったほどだ。中学生の頃、付き合っていた女の子から平手打ちをされた事はあるが、大人になって以降、女性から恨みを買うような覚えは一切ない。なぜこんな残酷な方法で殺される夢を見たのか。今でも原因が分からない。但し、夢に現れた警察官全員が女性というのは明らかに不自然だ。従ってこの部分に関しては、願望が映像になったのかも知れない。
ニ番目の怖い夢は小学生の頃に見たもので今も忘れず鮮明に記憶している。
夢の中の場所は旧実家の自分の部屋。窓の外は真っ暗。時間帯は深夜の様だ。当時の私の部屋は二階にありドアを開けて右に2メートルほどで一階に降りる階段があった。休日なのか部屋の中でくつろいでいる自分。とその時、下から嫌な雰囲気が漂ってくる。恐怖感を感じながらそれを確かめようとドアを開ける自分。階段の下から聞こえてきた音はヒュ~ドロドロと言うお化けの効果音だった。余りの恐怖で隣の部屋に身を隠す私。この夢でも体が震えて身動き一つできない。その部屋の廊下側には障子があった。数秒後、障子の前を通過する幽霊の集団がシルエットで浮かび上がる。息を殺して耐える私。子供心になす術もない怖い夢だった。この夢を見た理由は思い当たる節がある。恐らく、この夢を見た数年前に祖母が亡くなっていたと思う。シルエットに浮かび上がった霊は、私の祖母への想いではないかと感じている。
大病で入院した2018年の夏、退院後に自宅のベッドでウトウトしていた時に見た夢だ。
リビングとキッチンの境にあるファブリックパーテーションが靡いている。室内で風が吹くわけがないと思っていた矢先、砂嵐の様な模様が湧き出てきた。砂嵐は次第に形を形成して、父の姿になった様に感じた。だが私の父は11年前に亡くなっている。もしかしたらと思い口に出した「お父さん、そこにいるの?」「‥」「いるのなら姿を見せてよ」いつしか砂嵐は消えてしまっていた。夢なのか幻なのか。私の父は末期の胃癌で亡くなった。父の最期を看取る事は出来たが、酸素吸入で一言も話せず逝ってしまった。霊でも良い。父と会えるのならば。そんな気持ちがこの夢を見させたのかも知れない。
この夢も幼少期に度々見た記憶がある。
デパートの様な大きな店舗の中に大勢の人がいる。私は父と逸れてしまい店内を探し回っている。ふと見上げると、床が透明になっていて歩行している人の顔が分かる。「あ、お父さんだ」声を出して呼んでも父には聞こえていない様だ。上の階に上がれば父と会える。エスカレーターやエレベーターを探す私。おかしいな、どこにも無い。歩いても歩いても見当たらない。この後寝落ちしたのか全く思い出せない。これも不思議な夢だった。
場所は特定できないが、鉄道の車両区にいる自分。何本もの線路が敷かれている中で列車の往来を見ている様だ。そこに一本の貨物列車が私を目掛けて高速で迫ってくる。そしてかすめていくのだ。私は危ないなぁと思いながらその場を立ち去るのだが、次々に列車が私を目掛けて走ってくるふしぎな夢だった。
前回の記事でも綴った理容室で顔剃りの最中に見た夢だ。理容師のお姉さんがシェービングブラシを使って石けんを泡立てている。その後椅子を倒されて顔中泡だらけにされる私。そして熱い蒸しタオルで顔を包まれた。石けんの香りと蒸しタオルの熱気でウトウト。その直後、私の顔に触れる女性の気配を感じた。ビクッとして目を開けると理容師のお姉さんだった。「よく寝てたね、寝言も言ってたよ」「オレ何か変な事言ってました?」「うん。◯子って女の子の名前言ってた」「ウソ~」「彼女でしょ」「違いますよ。だってオレ彼女いないもの」「でも顔真っ赤になってるよ」このお姉さんはいつも私をからかって楽しんでいた。「オレを引っかけようとしたでしょ」「うふふ」当時の私は彼女ができる前、私が好きな女性はこのお姉さんだったのだ。
高校生の頃によく見た夢だ。寒い冬のある日、学校から帰るとコタツでウトウト寝てしまうことが度々あった。数時間後、部屋の中が随分静かだなと思い、目を覚ますと外は真っ暗。時計を見ると6時だった。ヤバい。朝まで寝ちまったか。なぜ誰も起こしてくれないのだろう。そう思いながらテレビをつけると夜のニュースが放送されている。なんだ、まだ夜だったのか。自分の勘違いに気が付きもう一眠りしてしまうこともあった。
デザイン学校の一年目、アルバイトの思い出❷で記述した、ポストホビー代々木店で働いていた時に知り合った社員のHさんから直接聞いた話である。Hさんは偶然にも私のアパート付近に住んでいることが分かって以来親しく接してくれた人だった。ある時の日曜日、夜の10時を回った頃、アパートのドアをノックする音がした。誰だよこんな時間にと思いつつ、ドアを開けるとHさんが立っていた。Hさんはバツが悪そうにごめんねと言った。「どうぞ、上がってください」「参ったよ~眠れなくてさ」「何か悩み事でも?」「出ちゃってさ」私は思わず「何が」と尋ねた。「部屋に霊が出てさ」「また冗談を」「いや、ウソじゃないよ。部屋によく出るんだよ」「どういうことですか?」「オレ霊感が強いんだよ。だからよく部屋に霊が出るんだよ。今も寝ていたら出たんだけれど、消えずにずっと居座ってるので逃げてきたんだよ。「その話し本当ですか」「ウソじゃないよ」「疑っているわけではないのですが」「一晩泊まってもいいかな?」「良いですがお客様用の布団はないですよ」「大丈夫、仮眠してすぐに帰るから。」こんなやりとりだった。このときのHさんはいつにも増して饒舌だった。Hさんから聞いた話は以下の通り。
Hさんの部屋には度々霊が出るらしい。食事中、テレビを見ている時、就寝中、友人が遊びに来ている時、どんな状況であろうがお構い無しに現れるらしい。就寝中、目を覚ますと自分の横に兵隊さんが座っていて驚いた事もあったらしい。またある日の就寝中は、自分の右腕が勝手に持ち上がり、人差し指が天井を指していたらしい。部屋の電気をつけると指先が示す場所には人の顔が浮かんでいたという。一通り話を聞いた後思い切って切り出した。「そんな怖いアパートなら引っ越したらどうですか?」「もちろん考えてるよ。でも引っ越し費用もかかるしさ。いつか消えるのではないのかと思って踏ん切りがつかないんだよ」その次の日、私が目を覚ますとHさんは出社した様でいなくなっていた。その後私はデザイン学校を卒業。プロのデザイナーになった事でポストホビーのアルバイトも辞めた。それ以来Hさんとの親交も途絶えてしまった。従って、この話がどの様に決着したのかは分からない。誠実で真面目なHさんがウソをついているとは思えなかったが、あまりにもリアルな内容で、にわかには信じがたい話だった。
夢は自分が見聞きした情報や体験を整理する作業と言われている。それを踏まえて考えると最初に綴った悪夢も思い当たる節がある。私は映画通とまでは言えないが、洋画に関してはかなりの本数を見ている。中でもアクション映画においては、拷問や殺害シーンはつきものと言えるだろう。私が夢の中で薬殺刑を執行された場面は、全身麻酔剤、筋弛緩剤、塩化カリウム溶液という薬殺刑の3種の神器が揃っている。これは私が見聞きした映画の中で起きた拷問や処刑シーンと合致している。従って、正しく情報の整理と言えるのではないだろうか。また、見た夢を覚えているか忘れてしまうかは、その時の睡眠状態によるところが大きいと言われている。そして夢で最も興味深い事は、ありえない事が度々起きているという点。例えば、中学と高校の同級生が同じ教室で学んでいる。これは通常あり得ない。目の前に金貨の山がある。両手で掬い取るのだが、何度掴んでも手をすり抜けこぼれ落ちてしまう。これもあり得ない。アビイロード スタジオでビートルズのメンバーとしてレコーディングしている自分。この時点で既にあり得ない。そしてなぜか私のアンプが故障して、自分の弾くベース音が全く聞こえない。この様に、理不尽なところが多々あるのが夢の面白いところと言えるかもしれない。ところで、私が死刑執行される夢に登場したブロンドヘアの女性警察官クリス。実はモデルにした女優さんがいるのだが本記事では敢えて明かさない。でもこの人になら本当に殺されてもいいと思うほど可愛い女優さんであった。私が17歳の時に見たアメリカのテレビ番組にレギュラー出演していた人である。当時の彼女は27歳。夢の中では私も彼女も昔のままである。さて、今夜はどんな夢を見させてくれるのだろうか。
☆Good Night/THE BEATLES(2018Remix)
https://www.youtube.com/watch?v=FBxeM77LO7w
2020年10月22日EXPERIENCE