名古屋特集③ 尾張名古屋は味噌でモツ? 2023年6月4日
名古屋生まれであるが、名古屋名物にはそれほど興味がない。観光客が口を揃えていう味噌カツや手羽先、あんかけパスタなどはほとんど食べない。たまに家でとんかつは頂くが、味噌はかけない。どちらかといえば濃いめのソース派である。だが名古屋は、どこのスーパーにも置いてあるのが味噌カツなのだ。味噌カツは八丁味噌をベースにしたタレをかけていただく串カツである。八丁味噌は濃厚さと程よい酸味があり、酒やみりんを加えて作るタレは肉の旨みを引き出し、何本でも食べられる。だが一方では衣のサクサク感が失われてしまうので、苦手だという人がいるかも知れない。
近年名古屋グルメなるものがあちらこちらで聞かれるようになったが、その殆どが味付けや調理方法に特徴があるものばかりだ。前述の味噌カツやあんかけパスタ。正直にいえばこれらを名古屋グルメといえるのかと思う時もある。私の感覚で定義するなら、素材は鶏肉と卵。そして海老を使ったもの。味付けならば味噌を使ったものである。これにもう一点加えるのであれば、麺であろうか。
以前タレントのタモリさんが名古屋人は海老フライ好きが多いとネタにしていた頃があった。もちろんジョークなのだが、言い得て妙の感はある。自分も若い頃から海老フライは好物で特別な食べ物の意識が強い。またお隣の三重県は伊勢エビの養殖が盛んであり、これがネタ元になっていると考える。実際のところジャンボ海老フライ定食や、海老を丸ごと使った名古屋土産もあるほどだ。その中でも名古屋グルメに相応しいのは天むすであろうか。食べたことはなくてもご存知の方はいるだろう。天むすとは一口サイズのおにぎりに、海苔で巻かれた海老天が乗せられているものだ。様々なメディアに取り上げられたこともあり、今や名古屋グルメの代表格になりつつある。
ところで天むすは二種類のお店が販売しているのをご存知であろうか。一つは業界大手の地雷屋(じらいや)。もう一つが千寿(せんじゅ)である。地雷屋は名古屋市内に本社があり、JR名古屋駅でも販売されている。だが千寿の本店は名古屋市内にはない。なんと三重県の津市である。店の場所を知らなければ、通り過ぎてしまうような地味な店構えである。千寿の天むすは松坂屋名古屋店や近鉄名古屋駅でも購入できる。地雷屋と千寿。どちらを選んでも美味しいのだが、私は千寿を気に入っている。以前にブログでも綴ったが、津市は美味しいものが沢山あるところなのだ。
一番上の画像をご覧いただきたい。「メアベア」と呼ばれる料理である。メアベアとは鶏肉、豚肉、牛肉と玉ねぎを炒めてドミグラスソースで味付け。それをグラタン皿に盛り付けてオーブンで焼く。仕上げに半熟の目玉焼きを乗せたもの。知る人ぞ知る津の隠れた名物料理といわれている。私がこの料理の存在を知ったのは数年前。ある記事で津の不思議料理と紹介されていた。記事によれば、これをメインにライスを頂くのがお勧めの食べ方らしい。因みにメアベアが食べられる店の筆頭格は津市の中津軒であるが、名古屋市内の円頓寺商店街や武豊などでも食べられる店があるという。名古屋と津。近鉄電車の急行で30分ほどの距離である。一度は食べてみたいと思いながら、未だに実現できないでいる。
前回のブログではドラゴンズと落合さんについて綴らせていただいた。落合さんが中日にトレードされるずっと前の時代。野球観戦のお楽しみといえば球場グルメがあげられる。私の幼少期。中日球場(現ナゴヤ球場)で観戦した際にこんなことがあった。お世辞にも衛生的とはいえない調理環境の中でお店の方が作っていた記憶がある。看板には「どてめし」と記されていた。これはなんだ?好奇心旺盛な自分は店の人に尋ねた。すいません。どてめしって何ですか?店のおじさんは即答で返してきた。「それはご飯の上に味噌味のモツがかけてある食べ物だよ」「食べたことないかい?」モツって‥?当時の私は小学生。モツが分かるようになったのは中学生。大好きな食材は肉と卵。魚も野菜も嫌い。臭みがある煮魚などもってのほか。肉以外は積極的に食べない子供だった。
最後は麺類で締めたい。名古屋めしの代表といえば味噌煮込みうどんだろう。私自身も店で数回食べたことがある。あるお店で食べていた時のこと。「店員さん、このうどん硬いよ。生煮えじゃないのか」と訴えるお客さんを見たことがある。その時の店員さんは、もしかしたらこの人は味噌煮込みうどんを知らないのかな?という表情をしていた。そうなのだ。味噌煮込みうどんは敢えて硬めに茹でているのだ。その理由は諸説あるが、うどんの生地を作る際、塩を使わずに水と小麦粉だけで作っているからだという。ではなぜ塩を使わないのか。それは煮込む際に塩が溶け出てしょっぱくなるからだという。それを避けるためには致し方ないという事実。だから初めて食した方なら硬いと感じるのが当然なのだ。そして味噌煮込みうどんに欠かせないのが半熟卵。ぐつぐつと煮えたうどんの中で黄身を崩して食べるのが王道なのだ。会社勤めをしていた頃は餅を加えていただき食べていた。当時30歳の若造は62歳の不良オヤジになっています。
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2023年6月4日
名古屋生まれであるが、名古屋名物にはそれほど興味がない。観光客が口を揃えていう味噌カツや手羽先、あんかけパスタなどはほとんど食べない。たまに家でとんかつは頂くが、味噌はかけない。どちらかといえば濃いめのソース派である。だが名古屋は、どこのスーパーにも置いてあるのが味噌カツなのだ。味噌カツは八丁味噌をベースにしたタレをかけていただく串カツである。八丁味噌は濃厚さと程よい酸味があり、酒やみりんを加えて作るタレは肉の旨みを引き出し、何本でも食べられる。だが一方では衣のサクサク感が失われてしまうので、苦手だという人がいるかも知れない。
近年名古屋グルメなるものがあちらこちらで聞かれるようになったが、その殆どが味付けや調理方法に特徴があるものばかりだ。前述の味噌カツやあんかけパスタ。正直にいえばこれらを名古屋グルメといえるのかと思う時もある。私の感覚で定義するなら、素材は鶏肉と卵。そして海老を使ったもの。味付けならば味噌を使ったものである。これにもう一点加えるのであれば、麺であろうか。
以前タレントのタモリさんが名古屋人は海老フライ好きが多いとネタにしていた頃があった。もちろんジョークなのだが、言い得て妙の感はある。自分も若い頃から海老フライは好物で特別な食べ物の意識が強い。またお隣の三重県は伊勢エビの養殖が盛んであり、これがネタ元になっていると考える。実際のところジャンボ海老フライ定食や、海老を丸ごと使った名古屋土産もあるほどだ。その中でも名古屋グルメに相応しいのは天むすであろうか。食べたことはなくてもご存知の方はいるだろう。天むすとは一口サイズのおにぎりに、海苔で巻かれた海老天が乗せられているものだ。様々なメディアに取り上げられたこともあり、今や名古屋グルメの代表格になりつつある。
ところで天むすは二種類のお店が販売しているのをご存知であろうか。一つは業界大手の地雷屋(じらいや)。もう一つが千寿(せんじゅ)である。地雷屋は名古屋市内に本社があり、JR名古屋駅でも販売されている。だが千寿の本店は名古屋市内にはない。なんと三重県の津市である。店の場所を知らなければ、通り過ぎてしまうような地味な店構えである。千寿の天むすは松坂屋名古屋店や近鉄名古屋駅でも購入できる。地雷屋と千寿。どちらを選んでも美味しいのだが、私は千寿を気に入っている。以前にブログでも綴ったが、津市は美味しいものが沢山あるところなのだ。
一番上の画像をご覧いただきたい。「メアベア」と呼ばれる料理である。メアベアとは鶏肉、豚肉、牛肉と玉ねぎを炒めてドミグラスソースで味付け。それをグラタン皿に盛り付けてオーブンで焼く。仕上げに半熟の目玉焼きを乗せたもの。知る人ぞ知る津の隠れた名物料理といわれている。私がこの料理の存在を知ったのは数年前。ある記事で津の不思議料理と紹介されていた。記事によれば、これをメインにライスを頂くのがお勧めの食べ方らしい。因みにメアベアが食べられる店の筆頭格は津市の中津軒であるが、名古屋市内の円頓寺商店街や武豊などでも食べられる店があるという。名古屋と津。近鉄電車の急行で30分ほどの距離である。一度は食べてみたいと思いながら、未だに実現できないでいる。
前回のブログではドラゴンズと落合さんについて綴らせていただいた。落合さんが中日にトレードされるずっと前の時代。野球観戦のお楽しみといえば球場グルメがあげられる。私の幼少期。中日球場(現ナゴヤ球場)で観戦した際にこんなことがあった。お世辞にも衛生的とはいえない調理環境の中でお店の方が作っていた記憶がある。看板には「どてめし」と記されていた。これはなんだ?好奇心旺盛な自分は店の人に尋ねた。すいません。どてめしって何ですか?店のおじさんは即答で返してきた。「それはご飯の上に味噌味のモツがかけてある食べ物だよ」「食べたことないかい?」モツって‥?当時の私は小学生。モツが分かるようになったのは中学生。大好きな食材は肉と卵。魚も野菜も嫌い。臭みがある煮魚などもってのほか。肉以外は積極的に食べない子供だった。
最後は麺類で締めたい。名古屋めしの代表といえば味噌煮込みうどんだろう。私自身も店で数回食べたことがある。あるお店で食べていた時のこと。「店員さん、このうどん硬いよ。生煮えじゃないのか」と訴えるお客さんを見たことがある。その時の店員さんは、もしかしたらこの人は味噌煮込みうどんを知らないのかな?という表情をしていた。そうなのだ。味噌煮込みうどんは敢えて硬めに茹でているのだ。その理由は諸説あるが、うどんの生地を作る際、塩を使わずに水と小麦粉だけで作っているからだという。ではなぜ塩を使わないのか。それは煮込む際に塩が溶け出てしょっぱくなるからだという。それを避けるためには致し方ないという事実。だから初めて食した方なら硬いと感じるのが当然なのだ。そして味噌煮込みうどんに欠かせないのが半熟卵。ぐつぐつと煮えたうどんの中で黄身を崩して食べるのが王道なのだ。会社勤めをしていた頃は餅を加えていただき食べていた。当時30歳の若造は62歳の不良オヤジになっています。